大江健三郎の小説を読んでいる

いつのころからだったかは覚えていませんが、大江健三郎の小説や随筆が気になって読んでいます。

大江健三郎自選短篇 (岩波文庫)

大江健三郎自選短篇 (岩波文庫)

 

氏のこれまでの小説の流れのようなものが知りたくて、上記の文庫を買いました。時間のある休日に少しずつ読み進めています。

今日は『空の怪物アグイー』を読みました。『晩年様式集』の中で少し触れられていたのでどんな話なのか気になっていたものの、内容がファンタジーに近いものだろうと勝手に想像していました。しかし、見事に裏切られ、とても人間味のある小説でした。

まだ僕には失ってしまったと思うものが少ないのですが、生きていくうちにはそれが増えていくだろうとは想像できます。失ったものが、見上げる空から側に降りてくると思うと少し切ない気持ちになりました。